生産現地へGo!

脂ののった魚を蒲焼に!じっくりタレが染み込んだ秋刀魚が最高。

みなさん、「蒲焼き」といえば何を思い浮かべるでしょうか?やっぱり、うなぎでしょうか?

もちろん「うなぎの蒲焼き」もおいしいですが、それに負けない、とろけるような「とある蒲焼き」があるんです。

めちゃくちゃツヤがあっておいしそうですよね。答えは、「さんま」なんです。

「とろさんま蒲焼」と呼ばれていて、脂のしっかりのった旬の秋刀魚をセリで仕入れ、ぐつぐつと蒲焼きにしていきます。

とろけるような「とろさんま蒲焼」を、あつあつの白飯の上に豪快にのせて、口の中にかきこみたいですね。

とろさんま丼

今回は、そんな「とろさんま蒲焼」を作っている「つくだに街道」へ取材に行ってきました!案内してくださるのは、専務の濱本さん。お魚屋さんの「尾張まるはち」笹川さんと一緒に行きました。

代々受け継がれる『秘伝のタレ』

とろさんまを製造している工場のなかへ。扉を開けて入った瞬間、「うわぁ、めちゃいいにおい」と思わず言葉がこぼれてしまうほどの醤油ベースな芳ばしい香り。

実際に、とろさんまに使われているタレを見せてもらいました。基本的には、佃煮のタレと同じものが使われているのですが、ここのタレには物語がありました。

「このタレは、昭和24年からずーっと受け継がれているタレ。」濱本さんは自信を持って語ってくれます。

「顆粒の『だしの素』では、絶対に表現できない、ここがこだわりだよ。ここまで鰹だしのいい香りを出せるのも、先代から今にわたって配合や製法のこだわりを受け継いでいるからです。ここは、私たちの強みだし、また秘伝の部分でもあるよ。」

ちなみに、タレは、地域によっても変わってくるそうです。同じ愛知県でも地域によっては(三河:東の方など)醤油ベースが強いけど、この知多半島の方は、かつおだしが強いというのも地域の個性なんだって。

オープン窯でタレをしっかり染み込ませる

続いて、案内されたのは、「ごぉおーーーーー!!」と凄まじい音の鳴り響く部屋。とってもとっても暑い…(^^:) グツグツと、さんまを鍋に入れてじっくり煮詰めて行く部屋だったのです。

製造に詳しい人がいるから〜、と紹介されたのは、50年ものあいだ佃煮を炊き続けてきた熟練の工場長。

ただ集中し、ひたすらオーブン窯を覗き込んでいます。魚は動物性なので、アクを順番に取り除きながら炊いています。

「一番大切なことは、魚を柔らかくしながら、しっかりとタレを染み込ませることだよ」

圧力釜で一気にタレを煮詰めれば、時間も短縮されるので労力も少なくなるのですが、どうしても魚の生臭さも残ってしまうんだとか。だから、オープン窯を使って、魚の生臭さを飛ばしながら、じっくりとタレを染み込ませていくのですね。

さらに、工場長は、お話を続けます。

「魚の種類によっても、タレの染み込み具合は変わってくる。それに、始めからタレがねっとりしすぎていると、表面だけにタレがついて中まで染み込まないので、タレの粘り気も大事。だんだんと煮詰めていく必要があるんだよ。」

昔は、柔らかくなった魚にタレを染み込ませようとして、魚が崩れてしまったこともあったそうです。そんな失敗を乗り越えて、やっとのことで「とろさんま蒲焼」の柔かな食感ととろける旨味はできあがったのですね。

近年では、うす味で柔らかなものが好まれるようになってきたので、その好みに合わせて、味も濃くならないように気を使い、「柔らかさ」も細かく配慮しています。

大迫力!最後の仕上げは「あれ」を入れる

グツグツグツ…半分くらいまでにタレが煮詰まってきました。もうそろそろ終わりかな、と思った瞬間、いきなり現れたのは「水あめ」。

工場長が、ドカーンと一気に、水あめをオープン窯の中に入れていきます。

甘みの基本は三温糖を使っているのですが、タレのとろみ、そして三温糖だけでは表現できない甘みやツヤを出すためには、最後に水あめを入れること。

水あめによって、表面をコーティングすることで、魚の身を引き締めて型崩れを防ぎます。さらに、また、ツヤや光沢がよくなり、旨味を閉じ込めることも秘訣なんだとか。

こんなに水あめ入れて大丈夫なのか1?と思うのですが、1つのオープン窯に入っている秋刀魚の量は、なんと、20kg。午前中だけでも200kgもの魚介を炊いているんですよ。

味の追及だけじゃない、安全安心もしっかり

これで、とろさんま蒲焼は完成です。1つ1つきちんと袋詰めされていきます。

…が、ここで終わりではないんです。ここからしっかりと殺菌や品質チェックをしています。

HACCP(ハサップ)といって、原材料の受入から製品になるまでの各工程で、微生物や金属などの危害を防止するための基準もクリアしています。

実際、工場に入る前にも、たくさんの安全安心に関する資料がドバーっと。

とろさんま蒲焼を袋詰めした後も、85度での殺菌をきちんと行い、さらに4回もにわたって検品された後に出荷されますよ。

オープン窯でじっくり煮詰めて作られた、トロトロのとろさんま蒲焼。

生産元に行って目利きをし、厳選したお魚を扱う「尾張まるはち」さんで扱われているようです。ぜひ、のぞいてみてくださいね(^^)

 

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今回訪問した、つくだに街道の

さんま蒲焼 トロサンマ
約250g 1,980円

 

取材先情報
作り手さんの写真

株式会社 尾張まるはち
愛知県名古屋市昭和区
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今回訪問した、つくだに街道の
さんま蒲焼 とろさんま
約250g 1,980円