生産現地へGo!

美味しい焼きそばは、やっぱり『麺』から始めたい。大磯屋さんへ訪問。

焼きそばの『麺』ってこだわったことありますか?
確かにパスタとかラーメンとかって、「自家製麺へのこだわり」という言葉をよく見かけるものの「焼きそばの麺」ってそんなに意識したことが…。

今回、ご紹介するのは、大磯屋さんの焼きそば麺。愛知県知多半島のとあるイベントの屋台で出会い、今までに感じたことのないコシのある歯ごたえ、そして焼きそば麺自体に味があるのでパクパクが止まらなくなりました。

実はこの日、昼食は別のアポがあったので、ちょっとだけつまもうと思ったのに、結局全部食べてしまった(;;)

大磯屋さんは、イベントでは、焼きそばの屋台としてよく出店されていますが、本業は焼きそばの製麺所。先代から受け継がれるこだわりの製法で、焼きそばの『麺』を作ることに情熱を注いでいます。

今回は、大磯屋の社長「賢ちゃん」にお話を聞きながら、工場見学させていただきました。

豊かな風味にする5種の小麦ブレンド

工場に入って、まず初めに飛び込んできたのは、白い粉。そう、小麦粉です。強力系のもの、準強力系のもの、パン用のものなどいろんな種類の小麦粉が置いてありました。(パン用系も!?って思ったのですが、独特の強いコシを出すのに最適なものを選んだそうです。)

「大磯屋では5種類の小麦粉ブレンドにこだわっているよ」と賢ちゃん。先代から小麦粉を5種類ブレンドしていたようです。いっ時は、「5種の小麦粉をそれぞれ仕入れるのは大変だから、一度は小麦粉を3種に変えよう」と配合を試みたこともあったんだとか。

しかし、結局、5種の小麦粉ブレンドには風味や食感が勝てず、今でも5種の小麦粉にこだわって仕入れているようです。

こだわりん も小麦粉を触らせていただきましたが、ぎゅーって握った時に硬さのあるもの、柔らかくてホロホロと崩れるものなど、小麦粉にここまでの違いがあるのかと驚き。

先代から続く5種の小麦粉ですが、その小麦粉の内容は日々進化。お米と同じで小麦も年々いろんな品種が出るくるので、昔使っていたものをただ使い続けるのではなく、焼きそばに合う小麦粉を試しては発掘しています。

焼きそばの麺自体に香ばしい風味を感じるのは、小麦の種数を多く使っているからなんですね。

これ、焼きそばの麺なの!?意外な製麺方法に驚き。

小麦粉と水を混ぜ合わせて練り込むことで、焼きそばの麺が作られます。とはいえ、これって焼きそば麺なの!?って感じです。

ドーンっと大きなバームクーヘン!(笑)

「なにこれ!?」思わずそう呟いてしまいました。麺帯(めんたい)という帯状にして少し寝かすことによって、生地を落ち着かせるそうです。パン作りなんかと同じですね!

それにしても、麺帯ってめちゃくちゃ重い。そしてでかい。12〜13kgもあるそうです。

小麦粉と水を合わせて練ることで、この麺帯を作るのですが、実はとっても職人のカンが必要なんです。

「『練り水の温度』によって、生地の柔らかさが変わる。夏場は練り水の温度を下げ、冬場はアツアツの練り水を使うよ。これをしないと生地の熟成がぜんぜん進まず、味がないものになるからね。その日の湿度などを感じながら微調整しているよ。」と賢ちゃんは教えてくれました。

少し寝かせた平たい麺帯(めんたい)を数回にわたって少しずつ圧力をかけて伸ばしていきます。


そして、最後は焼きそば麺らしく細くカットされて串にかかります。

この掛け方を「島田掛け」というそうです。とても綺麗な仕上がりですね。

よくみてみると、黒い斑点状のものが。これは、小麦の「ふすま」と呼ばれるものなんだとか。

一般的に「上質な小麦」は真っ白な小麦のことをいうので、「ふすま」は、きれいに取り除いてあります。しかし、大磯屋さんでは、「ふすま」があえて多いものを使うといいます。

「『ふすま』は、鉄分やミネラルなどの栄養価が高い。しかも、焼きそばに入れると風味が豊かに変わるんだよ。」と賢ちゃんは語ってくれました。

それぞれの小麦がもつ特徴、そして焼きそばとの相性を見極めて選んでいるのですね!

熟成させることで、コシのある麺をつくる

大磯屋さんの焼きそばを食べた時にびっくりした「独特のコシ」。それは、熟成することにありました。


熟成室で熟成させている様子

焼きそば麺を1〜2日、10度の設定にして熟成させます。添加物がなにも入っていないので、あまり温度が高すぎないように最適な温度を調整しています。

実際に1日熟成させた麺と比べてみると、、こんなに色や透明感が違っていました。

手前上に重なっているのが熟成させた麺です。色が濃くなり、透明感が増していました。程よい「コシ」と「もっちり感」を追求した結果、熟成加減を調整したそうです。

わざわざ熟成のためにワンクッション挟んでいる。そこに、大磯屋さんならではの品質への追求を感じました。

扇風機ってこういう使い方があったんだ。茹であげて、手で冷ましていく。

熟成された麺は、大釜で茹であげられていきます。

95度の熱湯に、麺がくっつかないようにばらしながら入れて..

大きくかき混ぜながら波を作ることによって、その波に麺を泳がせていきます。

茹で上がった麺は、茹で汁をコーティングするように油をかけながら、冷ましていきます。ここで注目したいのは、水で洗い流すようにして冷ますのではなく、「扇風機」を使いながら手で冷ますこと。

水で洗い流すと、麺についている「小麦の風味や栄養価が詰まった茹で汁」も一緒に流されてしまうので、そうならないように工夫しているようです。

それにしても、この女性は、すごい勢いで麺をかき揚げては台に叩きつけているものだから、どんな気持ちでこの作業してるんだろう…なんて疑問に思ってしまいました(笑)(すごく集中しているので、聞けませんでしたが^^:)

手早く粗熱を取らないと、今度はもっちり感がなくなってしまいカピカピな感じの麺になる。だから、「ゆっくり丁寧」にではなく「スピード感」が必要なんですね。

できたて麺をその場で試食!

「ちょっと摘んでみる?」と賢ちゃん。思わず、「うんうん!」とうなずきました。

茹でられて手冷ましされたばかりの麺を賢ちゃんがお皿に載せてくれました。

食べた瞬間、小麦の風味がふわーあってします。麺が引き締まっていて、塩加減も程よいので、もう、このままなにも付けずに頬張り続けたい。調味料も野菜もなんもいらない。

「焼きそばって、家で火を通さないと食べれないんじゃ、、」って思ったんですが、この試食は工場ならではの醍醐味。手が止まらなくてパクパク食べてたら「ほんとよく食べるなあ。」みたいな目で賢ちゃんにみられました。笑

賢ちゃんが小学生だった頃、まだ今のように衛生管理が厳しくなかったので、工場の焼きそばを学校帰りにつまんでいたようです。

何気なく食べている「焼きそば麺」のなかにも、想いを込めて作る人の物語があることを学びました。

人の手だからできるこそできるところは譲らない。品質を追求する。必要なところはじっくりと時間をかける。
その一方、なるべくお手頃な価格になるように、機械でできるところは工夫しているところも、生活者にやさしい大磯屋さんの魅力だと感じました。

店舗やネットなどで大磯屋さんの焼きそば麺を買うことができます。ぜひ一度は、試していただきた逸品です♪

今回の訪問を通して感じたこと。それは、受け継がれる人の温もりが、焼きそば麺の風味とコシに溢れているということでした。

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ここの製麺所でつくられた
大磯屋焼きそば麺
詳細は販売サイトで