たけうま工房
五平餅と玄米だんご
昔懐かしい自家製のくるみダレ五平餅と栄養抜群の玄米団子
芳ばしい香りが漂ってくる、その先にあるのは、ちょっぴり老舗感のあるお店。
女性2人が「いらっしゃいませ」、と元気に声をかけてくれた。
ここは、手づくりくるみ五平餅と、玄米だんごのお店。
「あの頃の味が忘れられなくてね。子どもの頃の味を再現したいと思って、五平餅屋さんを始めたよ。」と作り手の喜多川さん。
実は、北川さんは、子どもの頃、すり鉢でずーっとゴリゴリと、地場で採れたくるみを潰して、五平餅を作っていたんだそう。
戦後の忙しい時代に生まれ、焼き物の街(岐阜県の東濃地方)で育った喜多川さん。
幼い頃は、「窯出し」に来てくれた近所の人へのお礼に出す、五平餅づくりのお手伝いをしていたそうです。
そんな昔ながらの味を再現すべく始めた「たけうま工房」。なんと言ってもその手間には驚きだ。
2時間かけて作るタレには、くるみと胡麻の油分がしっかり入り込み、ほんのりあまみと、ナッツの芳ばしさを醸し出す。
そんなくるみや胡麻の香りを消さないために、あえて醤油は、きつくないものを選んだ。
「醤油を煮詰めるのにも大変で、頑張って作っても1日100個までが限界。1時間あたり10ー12個ぐらいしかできないんだよ。」と語る喜多川さん。
地産のものを使いたいと、愛知県一宮市の農家さんからお米を取り寄せ、昔からの「俵」の形にこだわって成形し、こんがりと焼いていく。
もちっとしたお米の食感に、なんといってもくるみや胡麻の香ばしさ、そして、ほんの少し焦がしてあるお米の適度な苦味とあまみが癖になりそうだ。
なんだかいつも楽しそうに話す喜多川さん、五平餅づくりから始まる「昔の思い出」がたくさん詰まっているのかな…そんなことを思います。
そして、もう一つ。最近始めた玄米だんご。
栄養があるけど、なんとなく玄米は苦手…そんなイメージを見事に覆してくれるような、表面がつるんとしていながらも、のっぺりねっちゃりしない程よいツブツブ感。
無農薬のお米農家さんの玄米を使っているそうで、喜多川さんは、こだわりのお米屋さんからを訪れた時、これだ!!!というものを仕入れることに決めました。
母と子でやっているからこそ、利益ばかりに目をくらませず、生活の中で、みんなに気軽に食べてもらえるような価格にも配慮。「なるべく日常で食べてもらいたいから、子ども3人いたらなるべく1人1本食べられるように…」と話してくれました。