フードトラック祠
秘境のジビエ…。その名前からして、つい興味をそそられてしまったキッチンカー。
岐阜県の郡上市からやってきた、ジビエ専門のお店だ。
高タンパク低カロリーと言われる「鹿肉」をメインに、ジビエのタコスを提供する。
臭みはなく、ちゃんとお肉の感じがしっかりする、まさにお肉好きにはたまらない「肉肉しさ」がたっぷり味わえる。
しかも、ちゃんと野菜もいっぱい入って、フレッシュトマトの風合いがさっぱりと仕上げてくれる。
そして、タコスというから「辛いかな?」と思うけど、全然辛くない。
お子さんでも食べてもらいやすいように、辛くないものを用意してくれているんだとか。
作り手の岡崎さんが昔、サウスカリフォルニアでタコス食べた際「これがジビエにもいいかも!」って思い、 バーベキューの資格も活かしてオリジナルのジビエタコスを作るようになったんだとか。
「メキシコの料理って、案外和食と近いものがあるんですよ。日本人の舌に合うというか…」そう語ってくれた。
岡崎さんは、ただメキシコのタコスを持ってくるのではなく、地元郡上の人が作った地域の「地味噌」も入れている。
さらに、具材を巻くトルティーヤもこだわりで、通常はトウモロコシ由来のものを使うことが多い中、「国産小麦」で作られたものを厳選。
「トウモロコシのものってボソボソするものが多いから、日本人好みの食べやすさを意識して、国産小麦のトルティーヤにしました」と、岡崎さん。
そんな岡崎さんに、キッチンかーを始めた理由を聞いたら、これがまたびっくり。もともと、岡崎さん自身が猟師をしていたのがきっかけなんだという。
「え、猟師!?」って思わず驚いた。
実は、福井の牧場で、猪の掘った穴に牛がつまずかないように、猟師として働いていたんだとか。
ただ、ジビエの処理場がしっかりしていないと、自家消費以外にはお客さんに食べてもらうことはできない。
「命をいただいているので、そのまま捨てちゃうのももったいな」っと思い、「獣害駆除」でなく、「福利活用」の目線からも、お肉をお客様に出せないかなと、処理場が多い郡上に引っ越してきたんだとか。
そして、このキッチンカー、フードトラック祠のもう一つの注目が、お米のアイス。
開けてびっくり、ミルクベースのアイスに、お米の粒が入り混じっているではないか。
「地元、西和良でお米を作っている農家さんにお会いして、そこのお米を使っています。 」と、岡崎さん。
ジビエ料理やお米のアイス、どちらも、食を通して地域を活性化したいという、「地方創生への想い」が、キッチンカー全てに表れています。