MIKURA
MIKURAさんは三重県御浜町に蔵を構え、お酢の製造・販売をされています。
4台の木桶で玄米酢、酒粕酢を中心に、伝統的製法で時間をかけゆっくりゆっくり発酵させて作っています。
味はというと…これが、人によって感じ方が違うというんです。塩味をわずかに感じる人、昆布のような旨味を感じる人。酸っぱい!と思う人、酸っぱいけれどまろやかでおいしいと感じる人。だからこそ、「ぜひ、味見をしてほしい。」社長の伊藤さんはそうおっしゃいます。
口に広がる、複雑な味。お酢には様々なアミノ酸が入っています。旨味成分も然り。そしてそれはお酢蔵によって全く違います。蔵ごとに守り続けている種菌があり、木桶があり、作る職人がいるからです。職人さんはお酢と会話しながら、そしてお酢は作り手の会話や機嫌を伺いながら育っているといいます。だから“蔵の味”が仕上がるんですね。
MIKURAさん、実はお酢を作り始めたのが平成25年。台風で大きな被害を受けたお酢蔵を引き受け、必死な想いで守り抜いた種酢から現在のお酢を作っています。大規模な製造はできないからこそ、時間をかけ、菌と対話しながらお酢を育てる。瓶1本には沢山の想いが詰まっています。
お酢って毎日使う調味料ではないかもしれない。苦手な人もいるかもしれない。でも、「まずは知ってもらい、味見をしてみてほしい。」そして、日々の暮らしに少しでもお酢を取り入れてもらえたら。取材を通して、その想いが伝わってきました。